大阪市港区の注目ニュース:サントリーの和食力が世界を魅了!

大阪市港区

タイトル: 大阪工場を取材…サントリージンが世界で評価されるワケは“和食”にあった!【2026年春工場見学開始】

本文:

くつかのジン蒸溜所を取材したなかでも、ここまで高さのある蒸溜器は初めてかもしれません。なおかつ、メインとなる蒸溜釜の形が、ウイスキー蒸溜で頻用されるような銅製の単式蒸溜器(ポットスチル)に似ている点もポイント。

加えてもうひとつ珍しいのは、蒸溜釜に設えられた浸漬(しんせき)タンク。これは、生産能力増強と品質向上を目的に新設した、画期的なシステムです。従来は蒸溜釜内でボタニカルの浸漬と蒸溜を同時に行っていたところを、タンクで浸漬してから蒸溜釜へ移送する工程にしたことで、生産性向上を実現。さらには、浸漬温度、時間、攪拌(かくはん)を制御できるようになり、品質もアップしたといいます。

4基の蒸溜器は今回新調した設備となりますが、それぞれ種類が異なる理由は、素材ごとに原酒のつくりわけをするため。例えば桜やバナナなどにはクリアで繊細な酒質を得やすい「減圧蒸溜釜」を、柑橘系の素材には精溜度の高い蒸溜ができる「ピール・レクチ」を、ただし柚子などには「ピール・スチル」を、ジュニパーベリーなどジンの伝統的なボタニカルには「ジン・スチル」を、と使いわけることで、各素材に理想的な原酒をつくり出します。

そしてもうひとつの目玉が、「クリエイションルーム」と呼ばれる会場。ここは360度のスクリーンに没入感のある映像を流せるシアターとなっていて、見学ツアーではジンに関するテイスティングやセミナーなどが予定されています。

取材会では矢野哲次工場長がサントリーのものづくり精神や大阪工場について、スピリッツ・ワイン商品開発研究部の伊藤定弘部長が「ROKU〈六〉」の魅力をテイスティング講座形式で教えてくれました。特に筆者が感銘を受けたのは、同社が思い描く「The Japanese Craft」の考え方です。

一言で例えるならば「和食」。その哲学はジンのブレンドにも表れており、料理でいえば「炊き合わせ」が挙げられます。というのも、一般的なジンの製法は原料を一括で浸漬、蒸溜するところ、「ROKU〈六〉」や「翠(SUI)」では素材ごとにつくりわけた複数の原料酒をブレンドしているからです。

日本料理の「炊き合わせ」も、素材ごとに別々に調理して提供時にお椀で合わせる。これにより、各素材の味や色の個性を最大限に楽しめるのです。ラーメンで例えれば、豚や鶏の白湯と魚介ダシを一緒に煮込むのではなく、それぞれ炊きわけ提供直前に合わせるWスープの手法が、サントリー流のジンに通じるレシピといえるでしょう。

冒頭でも触れたように、一般見学ツアーは2026年の春ごろを予定しており、具体的なツアー内容や、参加は予約制なのか、工場までのアクセスは、料金はいくらなのかといった具体的な内容は決まっていません。とはいえ着々と準備は進められており、遠くない未来に発表されることでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました