大阪・関西万博で来場者を魅了している実物大ガンダム像は、高さ約17メートル、総重量約49トンの迫力ある姿に多くの外国人がスマートフォンのカメラを向ける。ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」の知的財産(IP)で稼ぐ取り組みに力を入れるバンダイナムコホールディングスは、2009年度に346億円だったガンダム関連の売り上げを23年度に4倍超の1457億円に拡大した。
近年は北米市場の開拓を重視し、ハリウッドで実写版映画の製作にも乗り出す。IP戦略を統括する「チーフガンダムオフィサー」の榊原博氏は、「日本中心だった販売戦略をワールドワイドに広げ、IPの価値を最大化していく」と力を込める。
万博会場では「ハローキティ」や「ドラえもん」、「ポケットモンスター」など日本ゆかりのキャラクターが登場し、来場者を喜ばせている。高度経済成長期の1970年に開かれた大阪万博が、大手メーカー中心の展示だったのと比べると、日本を代表する顔ぶれは様変わりした。
日本のIPは、長らく国内消費が中心だったが、動画を手軽に楽しめるスマホの普及をきっかけに、世界へ飛躍し始めた。政府は33年に20兆円まで増やす目標を掲げており、実現すれば自動車産業に匹敵する。
ソニーグループは、ゲームや音楽、映画を主軸とする「エンタメの会社」への転換を宣言し、外部の優良なIP取得などを進めた。十時裕樹社長は、「ソニーの存在意義は世界を感動で満たすこと」と述べた。
日本のIPが収益を生む金の卵だとわかってきたと指摘する岩崎明彦ディレクターは、今後も成長を続ければ、貿易摩擦を生んだ自動車産業などに代わる存在になり得ると分析している。


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