大船渡市まとめ:気仙船匠会の35年の歴史に幕、後継者不足で解散も「希望の船」気仙丸は今後も存在感を放つ
岩手県大船渡市で27日、気仙地方に伝わる造船技術を継承してきた船大工集団「気仙船匠会」の解散式が行われました。35年にわたる活動を終えた同会は、高齢化と後継者不足が原因です。
気仙船匠会は1990年、釜石市の「三陸・海の博覧会」に千石船を復元して出展するため、有志13人で結成されました。わずか1年あまりで全長約18メートル、幅約6メートル、帆柱の高さ約17メートルの「気仙丸」を完成させ、博覧会で人気を得たのです。
気仙丸はその後、NHK大河ドラマや映画の撮影などに活用されました。2011年の東日本大震災では津波で流されたもののほぼ無傷で残り、「奇跡の船」として地域に励ましを与えました。老朽化が進み、21年からは陸上で展示されています。
会員は長年後継者不足に悩まされていました。昨年、中心人物だった新沼留之進会長が93歳で死去し、会員が3人になったことで解散を決意したのです。27日の解散式には、会員の村上央さんと菅野孝男副会長が出席し、菅野さんは「市民の皆様方の『宝船』として見守っていただき、観光客にいつまでも愛される気仙丸であってほしい」とあいさつしました。
大船渡市は、寒流と暖流が交わる豊かな漁場を背景に干しアワビやフカヒレなどの高級海産物の産地として栄えました。江戸時代には、地域の良質な木材を生かした木造の大型船の建造技術が発達しました。
気仙丸は今後もその存在感を放ち続けることでしょう。岩手県大船渡市に住む皆さんも、是非この「希望の船」を見学し、地域の歴史と文化を感じてみてください。


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