宇治市まとめ:戦争体験を語り継ぐ、89歳の薬剤師山本明子さんの想い
京都府宇治市に住む山本明子さん(89)は、10年前に手作りした冊子「アコの戦争」を増刷しました。戦時中の体験をもとに書かれたこの冊子は、太平洋戦争開戦から終戦までの出来事を5~9歳の時の山本さんの視点で記しています。
山本さんは1936年福井県敦賀市生まれ、1歳の時に兵庫県姫路市へ転居し、大学卒業後は宇治市内で薬剤師として勤務してきました。戦争体験を語り継ぐ理由について、「戦後の平和が年々脅かされる状況に危機感を持った」と話します。
冊子「アコの戦争」には、山本さんの身近な出来事が描かれています。友人の父親が特攻隊員として戦死したことや、祖母の形見の指輪を供出せざるを得なかったことなど、当時の生活と戦争のむごさが伝わってきます。
山本さんは現在も現役で薬剤師として働いています。7月24日付の朝日新聞京都版「京都短歌」に投稿した短歌には、「日本では戦後、戦争はありませんでしたが、世界が平和でなければ」という一文があります。ウクライナやガザの子どもたちが戦争の犠牲になっていることに胸を痛める山本さんは、「戦争をしている場合ではない。各国が力を合わせ対応してほしい」と願っています。
宇治市立図書館では、冊子「アコの戦争」を今後、貸し出し対象にするか閲覧のみの資料にするか検討中です。山本さんの想いは、若い世代に戦争のむごさと平和の大切さを知ってもらうことです。
宇治市で暮らす私たちは、山本さんの体験談から学ぶことが多くあります。戦後80年となる今年、改めて戦争について考える機会を与えてくれた山本さんに感謝します。


コメント