本研究は、アルツハイマー病の遺伝的リスクを調べるために、多民族集団で実施されたゲノムワイド関連解析の結果を統合した多民族PRSを構築し、分析を行った。結果として、ヨーロッパ祖先集団に基づくPRSと比べて、他の祖先集団では発症リスクとの関連に違いは観察されなかったが、少ないサンプル数で解析されたため十分な統計力を発揮できていない可能性も考えられた。
また、患者群をアルツハイマー病、アルツハイマー病および関連認知症、認知症に分類し、それぞれでPRSのリスクを評価した結果、PRSの効果はアルツハイマー病で最も強く、その他の認知症では低いことがわかり、認知症の中でもアルツハイマー病に特異的な遺伝的バリアントの存在が示唆された。
今後の展開として、ゲノム情報に基づくアルツハイマー病の発症リスク予測や認知症の層別化に向けた応用が期待されるとともに、ヨーロッパ祖先集団以外の大規模研究が必要と考えられた。


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