新たな物価高騰が訪れる? 第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生氏に聞く
日本は、貧しくなっているのではないかと指摘するのは第一生命経済研究所の首席エコノミストである熊野英生氏だ。同氏は、「朝食価格指数」と「ドル円相場」を組み合わせたグラフを用いて、円安が止まらない限り朝食は上がり続けることと、日銀の金利正常化が朝食にも響いていることを解説した。
熊野英生氏によると、備蓄米放出を決めたものの、価格が下がるどころか上昇している。中間業者や農家が出し惜しみをしていると指摘し、消費者は「備蓄しておこう」というインフレマインドが蔓延し、価格に反映されないと分析した。
また、1月の全国の消費者物価指数では生鮮食品を入れた総合で4%だった。食料品も3月には2000品目以上の値上げが予定されており、今後も続きそうだ。熊野英生氏は、「生活実感は半年ぐらいは物価高騰に国民が苦しむ」と懸念している。
さらに、電気・ガスの補助金が半減され、なくなっていくと今後の物価の水準の見通しはどうなるか。熊野英生氏は、賃上げ自体はいいことだが、人件費が上がる分、価格転嫁が進むと指摘した。
一方で、春闘交渉では定期昇給を含めて5%以上の賃上げが実現する可能性がある。ベースアップ率も3.5%程度になりそうだが、物価上昇ペースがこれ以上上がると実質賃金はマイナスになる恐れがあると警告した。
熊野英生氏は、インフレマインドが蔓延し、消費者が「備蓄しておこう」という心理が働いているため、物価上昇を抑えることが難しい状況にあり、「生活実感」が半年ぐらいは物価高騰に国民が苦しむと予測している。


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